2005年12月28日 (水)

【閑話休題】事件は30代で起こってるんじゃない!10代で起こってるんだ!!

【ファッションやモテ/非モテの問題は、10代が一番厳しい】
今日は、前回の続きで「マネキン買いの問題点」を書こうと思っていたのですが、一連の服装マニュアル系の記事の前提として、言及してしておく必要があると思ったことがあるので、閑話休題として書いておきます。

それは、この連載で僕が扱っている「ファッションで馬鹿にされる問題」(あるいは「モテ/非モテ・オタ/非オタ問題」)は、10代中盤からせいぜい20代中盤までの、学生を中心とした若年層で起こっているという事実です。

確かに20代後半あたりの年齢になれば、「全身ユニクロ」だろうがなんだろうが、ファッションで馬鹿にされるなどということは、まずありません。ファッションに興味のある人間が少ない、理系やオタク系の職場では、尚更でしょう。

しかし、様々な価値観を持った人間が集まる「学校」という場に所属する若年層は違います。この年代の若者にとって「全身ユニクロ」は、たとえどんなに着こなしがうまかろうと、それだけで馬鹿にされる可能性をはらんだ危険な格好なのです(素材が抜群に良いイケメンは除く)。若者は、そういう無意味な「レッテル貼り」や「優越感ゲーム」が大好きな生き物だからです(実例↓)。

http://d.hatena.ne.jp/republic1963/20051114#p2

脱童貞したとか、彼女ができたとか、女友達がいるとか、丸井に行ったことあるとか、出会い系サイトで知り合った女の子と実際に会ったとか、マックスウェーバー読んだ事あるとか、ジェントルマン資本主義の帝国*3読んだことあるとか、そんなんで人と勝った気になって。他人のことをバカにしてた。

そういうのが学生ってもんだといわれればそれまでなんですが


【10代に求められるファッション水準を満たすには、『清潔感』レベルではまったく足りない】
「清潔感・身だしなみ・TPO。最低限これだけしっかりしていれば、服装に対して文句はない」。オタクとファッションを論じる中でよく耳にするセリフです。しかし僕は、こと若年層に限っていえば、ここで言われている水準を満たすだけではまったく足りないと考えています*1

……というよりも、若年層が求める「TPO」は、社会人のそれよりも、遥かにレベルが高いんですよ。「見出しなみ」ではなく「お洒落」の領域まで踏み込まなければ*2、若者社会で「ひとまず馬鹿にされない」という目標を達成することはできない。だから僕は、ブランド物を推奨しているわけです。

要は、いま自分が30代の社会人で、自分を含めた周囲の人間が全身ユニクロで平気で過ごしているとしても、それを基準にこの問題を考えてはダメですよってことです。僕が最近書いている「オタク向けファッションマニュアル」は、「若者向け」「学生向け」が前提になっていることを、どうかお忘れなきよう。

ネットで行われているこの手の議論では結構忘れられがちですが、「最も非モテ問題が厳しいのは10代~20代前半」だってことを、論者はもっと意識して押さえておいたほうがいいでしょう。この問題を語っているのは、もう「一番厳しい時期」を過ぎた方が多いだけに*3


【……というわけで】
……というわけで、

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://a-pure-heart.cocolog-nifty.com/2_0/2005/12/pcpc_1459.html

この記事は20代前半までが対象ということですか?世の脱オタ論もそうなのかな>Masao_hateさん

この blackwatch さんのはてぶコメントへの僕の回答は、「ほぼその通りです」ということになります。

脱オタクファッションガイド」にしろ「いちからはじめるファッション入門マニュアル」にしろ、世の脱オタ論のほとんどは、中高生~30歳まで(高めに見積もってます)あたりがターゲットになっていると考えてよいかと。

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*1 というか、こういった発言をするのは、大抵がお歳を召した方な気がする。

*2 むしろ若者の眼に入っているのは「お洒落かどうか」だけで、「身だしなみ」は二の次だと思う。

*3 非モテオフも、参加者の多くは20代中盤以上の社会人だったし。

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2005年12月26日 (月)

「全身ユニクロ・無印」のコーディネイトは、むしろレベルが高すぎる

注:タイトル変えました(to TBを送らせていただいたみなさま)

【ユニクロ・無印は、本当に「基本」なのか?】
前回に続き、「オタク向けファッションマニュアル」関連の話題。今回は、「脱オタの第一歩として、まずはユニクロ・無印を着こなすことからはじめましょう」という、脱オタ論でよく見かける意見に対する、僕なりの見解を書きます。

http://blog.livedoor.jp/yuikoinu/archives/50372267.html

脱オタを志願する人の意見を聞いていますと
何段階かに脱オタを整理して、各レベルごとに分けてチャレンジする人に
「達成感」を持たせてあげられるのが望ましいのではないでしょうか?

レベル0「脱オタ志願者」
レベル1「ユニクロ、無印で最低限馬鹿にされないレベル」
レベル2「ユニクロ、無印を着こなせるレベル」
レベル3「ユニクロ、無印を着こなしてモテ志向を目指すレベル」
レベル4「丸井、セレショを射程にいれて積極的にモテ志向を目指すレベル」
レベル5「HF等のもはや趣味のお洒落神レベル」


確かに「ユニクロ・無印」は値段が安くベーシックな服が多いので、「着こなし技術入門」に最適だという天馬さんの意見に異論ありません。

しかし、しかしですねー。僕が最初に書こうとした「普遍的着こなし講座」がa666666さんに速攻駄目出しを食らったように、オタクの多くが求めるものが「自分の頭やセンスを使わなくても、最低限馬鹿にされない服装」であり、「着こなし技術の上達」ではないのだとすれば、僕は天馬さんの方針に違和感を感じざるを得ないんですよ。

それは、PC初心者の相談に対し、上級者がいきなり自作PCの作り方を教えているような違和感です。これは一見「基本」を教えているように見えて、実はもの凄く高度で難しいことを教えようとしているのではないかと、そう思うのです。


【「着こなし講座=自作PCの勉強」、「マネキン買い=メーカー製PC」】
引用した天馬さんの案や、「普遍的着こなし講座」は、PC購入に例えるなら「自作PCを作るために、マザーボードの勉強からはじめましょう」という方向性だと思うんです。

これは、長い眼で見れば確かに有効なんです。いろいろ応用も効くし、知識を吸収することそれ自体の、趣味的楽しみもある。本当に「趣味として」楽しもうと思った場合、この方向性は完全に正しい。

でもこの方向性は、興味がない人間にとっては「苦行」になってしまう可能性が高い。多くの人間にとって、興味の無い分野をそこまで勉強してやろうという気力はないわけです。それは、PCだろうとファッションだろうと同じことです。

そこで登場するのが、余計なことを考えなくてもとりあえず使える、「メーカー製PC」です。僕が前回提案した「マネキン買い」は、「メーカー製PC」に例えることができます。

「メーカー製PC」には、不必要なソフトやパーツが混ざっているかも知れないし、値段も高いというデメリットがある。しかし、自分でパーツを選ぶ必要がなく、メーカーの品質保証と安心もある。ただ「PCを使いたい」だけならこれで充分です。

上記文章の単語を入れ替え、「マネキン買い」を説明すると、次のようになります。

「マネキン買い」には、不必要な小物や服が混ざっているかも知れないし、値段も高いというデメリットがある。しかし、自分でコーディネイトを選ぶ必要がなく、ブランドの品質保証と安心もある*1。ただ「ファッションで馬鹿にされたくない」だけならこれで充分です。
(赤字は書き換え箇所)

おお!まったく違和感がない!!


【「技術を金で買う」という発想】
つまり、ファッションにしろPCにしろ、
・勉強して技術を身に着け、安く賢く済ませる
・金でブランドから技術と安心を買う
の二択なわけです。

前者を志向するのであれば「styling report」等を読んで「技術」を勉強すればいいし、後者であればマネキン買いやファッション誌をパクる等して、「技術」の部分を他人に任せてしまえばいい。

まぁ、「メーカー製作戦」と「自作作戦」を組み合わせ、無印やユニクロで済ませれる部分はマネキンから除外して買うという、「BTO直販作戦」(DELLやHPのPCのこと)なんてのもあるんですけどね(笑)現実的に考えると、コレが一番現実的でおススメかな?

ちなもにこの例えでいうと、ユニクロ・無印は、「メーカー保証がないぶん価格が安く、性能も悪くない」、「玄人志向」的ポジションです(笑)「上級者であれば問題なく使いこなせる」「安いので、自作の練習用に捨てるつもりで使える」点もそっくり!


【「いきなりユニクロ・無印」こそ、初心者にはレベルが高すぎる】
これまで書いてきたように「ユニクロ・無印」は、メーカー保証がないぶん値段は安いが、使いこなすのに「技術」が必要な、上級者向けの「玄人志向」的存在です。

僕は思うんですが、天馬さんがレベル3に置いている「ユニクロ、無印を着こなしてモテ志向を目指す」って、実はとんでもなくレベルが高いんですよ。僕の感覚では、レベル5の「HF等のもはや趣味のお洒落神レベル」よりも、遥かにレベルが高い。

というのも、ユニクロ・無印の服はシンプルなぶん、着る人間の「素材」が強調されてしまうからです。デコレーションによる誤魔化しが効かないのです*2

これを覆して「モテ」までたどり着けるのは、それこそ自分の体型・個性を知りつくし、「styling report」で紹介されている技術をすべてマスターした「神」か、「生まれつき素材が抜群に良いイケメン」だけでしょう。実際、僕には「3」を実践する自信はありません。でも、「4」か「5」なら、かろうじていけるかも(笑)

前回の記事へのTBをくださった、Hey8さんは

http://d.hatena.ne.jp/Hey8/20051226#p1

ここをみて思ったのだけど、「全身ユニクロ・無印でもそれなりに見える、普遍的な着こなし技術」って、実は、レベルが高いのかなぁと。

と書かれていますが、まったくその通りなのです。ファッション初心者は無理せずブランドに頼ったほうが、「馬鹿にされない」ためには無難です。


【まとめ】
・「全身ユニクロ・無印」は、非常に高い水準の「着こなし技術」か「モデルの素材の良さ」を要求される、最もレベルの高いコーディネイトです。

・ファッション初心者が服装をなんとかする方法論には、
1.技術を自分で身に着ける「自作PC作戦」
2.金で技術や品質保証をブランドから買い取る「メーカー製PC作戦」
3.その中間の「BTO直販PC作戦」
があります。

・「金も使わず技術も身に着けず服装を改善する方法」は存在しません。


【追記】
最近のBTO直販は、下手に自作するよりよっぽど安いけど、PC市場では「とりあえず使えればいい」ことに対する需要が、ファッション業界より遥かに多いからなんだろうなぁ。ファッション業界としては、BTO直販的な「必要最低限のコーディネイト一式を安く販売」的な方向性ってどうなんだろうか?需要は結構あると思うんだけど。(つづく

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*1 ブランド服の価格にも、メーカー製PC同様に「品質(デザイン含む)・サポートに対する信頼・安心費」が含まれています。

*2 とはいえ、ただデコラティブにすれば良いってものでもないから難しい。個人的には、服がシンプルになるほど「素材」が、奇抜になるほど「キャラ」が「お洒落に見せるには」(『馬鹿にされないためには』ではない点に注意!)重要になる気がする。

ゆえに、素材がよろしくない人間は、シンプルな格好をするよりも、「キャラに合った格好」をしたほうがよい(程度問題ではありますが)。その意味で、伊集院光の「奇抜なお洒落はブスの逃げ道」はあまりにも的を射ている。いや、言い回しは酷すぎるけどさ。

もちろん最強なのは、「素材の良い人間が、キャラに合った格好をする」。逆に、「素材の悪い人間が、キャラに合っていない格好をする」と、とても厳しいことになるわけですが。

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2005年12月22日 (木)

万人に馬鹿にされない服装マニュアル

【ダメですか】
前回書いた「普遍的着こなし技術講座」、いきなりa666666さんにダメ出し食らってしまった。

http://d.hatena.ne.jp/a666666/20051222/1135233756

必要なのは仕様書ではなく、チュートリアルだ。もっている服の中で、何が着てはいけないもので、何がまだ使えるものなのか判断できること。そして、買うべきものがリストアップされていて、手持ちの服で代用できないアイテムを、優先順位に従って穴埋め式に買い足していけること。どの上着とどのパンツの組み合わせならOKなのか、逆にNGなのかの場合わけができること。さらにそこに靴を加えて、組み合わせのバリエーションを増やせること。上記のようなベーシックなルールが定めてあり、具体的な店名、ブランド名、商品の種類によってどのルールが適用できるかがわかりやすく明記してあること。書いてある通りにするだけでいい、それ以外のことは考えなくてもいい、そういうものを俺は読んでみたい。

ユーザーが何も考えずに済むよう、もっとシステマティックにお願いします、とのご意見。


【万人に馬鹿にされない服装マニュアル】
なるほど、了解です。「万人に馬鹿にされない服装マニュアル」書きましょう!

次に書くプランを実行すれば、あなたの服装は、まず他人に馬鹿にされないモノに仕上がります。一見ネタのように見えるかも知れませんが、100%本気です。騙されたと思って、まずは読んでみてください。

・ミッション1
1.マルイや駅ビル等の、ファッションビルに行く。

2.マネキンが立っている、適当な「ブランドの店」に入る。ユニクロやジーンズメイトは不可(理由は後で書きます)。シンプルなコーディネイトのマネキンが立っているブランドがオススメ。20代までであれば「ジュンメン」「メンズビギ」「メンズメルローズ」「タケオキクチ」辺りがよい。

3.店員を呼び、「あのマネキンが着てるやつ、僕に合うサイズで全部ください」と言う。靴や小物もすべてセットで。

4.試着し、サイズを確認したうえで買う。

・ミッション2
1.ミッション1で買った服を持って、ユニクロや無印(あるいはパーフェクトスーツカンパニー等)へ行く。

2.似たような形・色・素材の商品を探す。

3.試着し、サイズを確認したうえで買う。

つまり、ミッション1で「馬鹿にされないコーディネイト」をブランドの力を借りて手に入れ、ミッション2でその廉価板を買い、着まわし用の服を増やすというわけです。


この作戦のキモは、前回の記事で紹介した技術のうち、「サイズ合わせ」と「髪型」以外の技術が全て自動化されているところです。「サイズ」だけは人によって違うので、ポイントを覚えてもらわなくてはどうしようもないのですが。「髪型」は服屋じゃどうにもならないので、別ジャンルということで。

次に、マネキン買いのメリットとデメリットを。


【マネキン買いのメリット】

1.マネキンは、客を呼び込むために、カッコいい店の主力商品を着せられていることが多い。そのため、粘着接客を受けて「地雷」(「ハズレ」の商品)をムリヤリ掴まされる心配がない(ここらへん、実際に店員やってる天馬さんあたりに突っ込んで欲しいなぁ)。

2.丸井レベルのマネキンであれば、コーディネイトも信頼していい。ユニクロやジーンズメイトは、店員がバイトのため、かなり怪しい場合がある。実際僕はファッションに無頓着だったオタク時代、ジーンズメイトでバイトして、マネキンのコーディネイトをしていた。

3.店によってコーディネイトが違うので、「脱オタ系」「ニューアキバ系」といった「マイナスの定番化」の心配がない。

4.雑誌やネットのマニュアルを丸ごと真似するより、バレにくい。

特に、1の「地雷の心配がない」ことが大きい。最後のはオマケみたいなもん。


【マネキン買いのデメリット】

1.初期投資がかなりかかる。紹介したブランドでやると、たぶん服だけで1マネキン当たり 春・秋は5万、夏は2万、冬は10万くらい。これに小物や靴が加わると、+3~5万くらい?セールを使えばもう少し安く済ませられるが、地雷率上昇は覚悟する必要がある。

2.実行するとき、かなり(というか、もの凄く)恥ずかしい。

問題は、金と羞恥心。


【どんなもんでしょう?】
……と、こんな感じで「万人に馬鹿にされない服装マニュアル」を考えてみましたが、どんなもんでしょう?一見、ふざけてるように見えるかも知れませんが、真面目な話、かなり有効だと思いますよ、この戦略。

さらに初期投資を抑えたいという方は、マネキンを写真に撮って、それを参考にミッション2に行くという裏技もあります。

まぁ、「突然お洒落な場所へ行かなくてはならなくなった」場合なんかの「一張羅コーディネイト」として、一式買っとくのもいいと思うんですけどね。「ミッション2」で買った服と合わせると、「全身ユニクロ・無印」の貧相さも緩和されると思いますし。

あとは実行あるのみ!(つづく

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