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July 25, 2005

フェチ市場を開拓するのは『見る性(需要)』か『見られる性(供給)』か

少し前に書いた、「さすが、オナゴ様は言うことが違う ~『見られる性』への男女意識格差~」に「ラブラブドキュンパックリコ」のMaybe-naさんから鋭い突っ込みをいただいたので、反応。


【『見られる性化』と『フェチ市場開拓】の相関性 】
http://d.hatena.ne.jp/Maybe-na/20050723/1122134131

男性の「見られる性」化が完全に定着した結果というのは、要するにゲイが男を漁る時にチョイスするポイントを女性も利用するようになるということですよね。具体的にはアイウエオ: ゲイsexのアイウエオ アーカイブに書いてあるような「ゲイに『負け犬』ナシ」文化です。ここに書かれている「2丁目に捨てるゴミ無し」というのは、男性が「見られる性」化した結果なのです。

しかし現状では女性が「見られる性」なので、Google先生で「フェチ」と検索した結果男性向けサイトばかり発見され、アロマ企画にあるビデオは出演者がほとんど女性・ターゲットはほとんど男性であり、フェチ板@画像ちゃんねるの投稿写真もほぼ女性ばかりという状況が生まれるわけです。

つまり、男性の「見られる性」化というのは、男性が今までB専とかストッキングフェチとか言ってたのを女性もするようになる、言い方を変えると女性の「見る性」化が進む、もっと言えば女性のフェチ化が進むということです。なぜなら、まさに「男を見る」という行為によってゲイの嗜好の細分化が進んだわけですから。

確かに「ありのままのオリを受け入れてくれ!」というのはどこへ行っても無茶な要求ですけど、SG、ガチムチ、デブ専、スリム専、ガリ専、タッパ専、チビ専、マメ専、若専、老け専、桶専、坊主専、外専、汚れ専、、、、、、etc. etc.とこれらはまさにいい男を観察し研究してきたゲイの美しき賜物。男の数だけ専がある。男性の「見られる性」化が進むとは、こういうことなんですが。

男性の「見られる性化」が進む事によって、男性のフェチジャンルが開拓されるということは、僕も以前考えた事があって、この点はMaybe-naさんと同感です。ただ違うのは、Maybe-naさんが「フェチジャンルの多様化」は「見る性」の成熟化の結果だと考えているのに対し、僕は「見られる性」の成熟化の結果だと考えている点なんですわ(以下、該当部引用)。

http://a-pure-heart.cocolog-nifty.com/log/2005/06/post_a389.html#nichi

【男性が売り手となるニッチ市場の不在】
しかしここで問題となるのは――特に非モテ男性にとって問題になるのは――女性にはこうした「ニッチ市場」がかなりの程度開かれているのに対し、「男性のニッチ市場」はほとんど開拓されていないことです。前述した「ロリッ娘市場」も、「不思議ちゃん市場」も、女性しか売り手として参入できない市場です。

これは、「見られる性」としての歴史が女性の方が遥かに長かったため、不美人が生き残るための「女性フェチ市場」の開拓が進んだ結果だと思うのですが、男性もまた「見られる性」化している昨今の状況を考慮するに、今後はキモメン用の「男性売り手のフェチ市場」が開拓され、女性の嗜好が多様化していく可能性が高いと考えられます。

僕はこのように、「フェチ化」とは「キモメン・不美人の生き残り戦略」だと考えているわけです。イケメン・美人は、素で市場価値が高いため、特別な工夫をする必要はありませんが、市場価値がデフォルトで低い者は、なんとか自分のパラメータで勝負可能なフェチ市場を開拓したり、不足部分をファッションで補う必要があったのではないか、と。

たとえば少し前に流行った、「パンツとスカートの重ね穿き」は、「足が太い女の子」の弱点をカバーできるという利点があったわけで*1、こういった多様化は、「見られる性」側の「必要」が生み出した部分も大きいと思うんですよ。この路線の現時点での究極形は、あんまり言いたくないけど「ガングロ」でしょう。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~superT/ouyou/ouyou9.htm

いつの時代も飛び抜けて奇抜な服装や化粧をするヤツはみんなブスだった。10年前、ミニスカートをはいている女の子に美人はいなかった。あれも男の視線を足に釘づけにする作戦だったに違いない。

本格的な茶髪(金髪、黄土髪、麦藁髪、紫髪、青髪、赤髪etc)が出てきたときもまずブスがマネした。要するに他人の視線を顔からそらすことが主目的の、本当に可愛そうな子たちだったのだ。

世のオバサマたちにしても歳を経るごとに化粧が濃くなる。そして本当に美しい人たちは、めったに塗ったくったりしない。

で、なぜ女性だけがフェチ市場を開拓する必要があったのかというと、男性に依存して生きざるを得なかった、女性の社会的地位の低さが関係していたのではないかというのは、「さすがオナゴ様は~」で書いたとおりです。


【需要が先か、供給が先か】
つまり僕は、女性のフェチ化が男性のフェチ化より進んでいるのは、「見られる性」(供給)側が自分の「見せ方」を工夫した結果として、「見る性」(需要)側の市場が開拓されたことが理由なのではないか、と考えたんです。「供給が先、需要が後」というわけです。Maybe-naさんの考えは、

見るほうが成熟してくれば、イケメン一辺倒の価値観も変わってくるんですよ。ハゲ線、老け専、デブ専、ガリ専、どれも「見る側」が発見したんだから。

とあるように、「見る性」(需要)の要求に「見られる性」(供給)が応えたという、「需要が先、供給が後」という考えですよね?

僕はMaybe-naさんの考えを否定するつもりは全然なくて、どっちも正しい「鶏が先か卵が先か」って話だと思っています*2。確かに男性が社会的に「買い手」であったことによって、女性の「見られる性化」がより激しく推進されたという点は大きいでしょうし、そう考えると確かに「男性の見られる性化」は女性よりも穏やかに進んでいくことになるのかな、と。だから、

仮に女性の「見る」性化がすすんでも、さっき言ったように売り手意識のままでは現実の男性に影響しないと思われます。せいぜい自分の好みでない相手に自分を「売らない」といった形でしか意思表示できないわけですから。

というのは、まったくその通りだと思います。ここは完全に盲点でした。非常に鋭い指摘です。たぶん、「売り手と買い手は自由に交代できる」ようになるのは、女性の社会的立ち位置が完全に男性と対等な状態になったときなのでしょう。ただ・・・・・・

もしヘテロ(ノンケ)で「見られる性化」が起きたとしたら、それはつまり男性の「見られる性」化が進むということです。そしてそれには女性がもっと男性を見ることが条件であり、その過程で嗜好の細分化が起こる。なぜなら、観察という行為は対象の特徴をリストアップすることだから。でもねー、そんな兆しはいまのところないような気がするのですよねー。

というのは少し疑問でして、たとえばデブの男の子に「B系」という逃げ場ができたように、男性の「見られる性」としての多様化と女性の「見る性」としての嗜好の細分化が、少しずつ進んでいると思うのですよ。現在のように多様な男性ファッション誌が出版されている状況はかつてありませんでしたし、「裏原系」「ビジュアル系」「ちょいモテオヤジ」「メトロセクシャル」なんかも、同様の「男性フェチ化」の流れなのではないかな、と。「電車男」もそうかな?*3

こういった流れが極限まで進んでいけば、Maybe-naさんが例に出したような、ハードな「男性版フェチ市場」が誕生してくるかも知れない・・・・・・と考えています。


【追記 2005.07/27 AM.0:00】
「ガングロ」というフェチ属性を女性側が提案したことにより、「ギャル男市場」が誕生したことは、「見られる側」が「見る側」の市場を開拓したことの一例になるかと。ギャル男も、ガングロが可視化される前は、自分がああいう女子に惹かれる属性を持っているとは思っていなかったハズ。


*1 もちろん、それだけが理由で流行ったわけではないですが

*2 ここらへんは「需要が先か供給が先か」っていう経済学チックな話になると思うんですが、僕は経済学はよくわからんのでスルー。詳しい方の突っ込み歓迎。ここによるとこちらの書籍が参考になるらしいです。

*3 Maybe-naさんが例に出したゲイのフェチほどハードではないけど、「ソフトフェチ市場の多様化」って感じで。「男性の萌え属性の多様化」でも可(?)。

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